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2009年5月10日 (日)

衆院選は8月9日が濃厚に

 次期衆院選は8月9日に行われる可能性が濃厚になった。麻生太郎首相はいまだ、衆院解散の具体的な時期について明らかにしていないが、国会情勢や国事行為として衆院を解散する天皇陛下の日程等を考えると、8月9日が最有力候補として浮かび上がってくるからだ。

 衆院選の時期を考える上で、最も重要な要素は、2009年度補正予算案と補正予算関連法案、海賊対処法案など重要法案の審議・成立状況だ。

 まず補正予算案について、与党は5月13日に行われる麻生首相と小沢一郎民主党代表との党首会談後、衆院予算委員会で採決し、同日中に衆院本会議を開いて可決、衆院を通過させたい考えだ。

 野党側は難色を示しているので、同日中の衆院通過は微妙だが、15日の金曜日までには衆院を通過するだろう。これにより、野党側が参院でどんなに審議を遅らせても、6月13日には補正予算本体、7月13日には補正予算関連法の成立が担保される。

 開会中の通常国会の会期は6月3日。通常国会は国会法の規定上、1回しか延長できないので、少なくとも7月13日までは国会を延長しなければならない。

 麻生首相は、補正予算の成立を最大の景気対策としてきたので、補正予算関連法が成立確実となる7月13日以降は、いつでも解散できるということになる。国会が延長されれば、麻生首相が成立を目指していた海賊対処法や改正国民年金法などの重要法案も成立させることができる。

 まず、ここで(1)「解散は7月13日以降」という「方程式」が導き出される。

 衆院選の期日を決める次の要素は、麻生首相が解散に踏み切るかどうかだ。

 衆院議員の任期満了は9月10日。その30日前からは「任期満了選挙」が可能となる。日曜日に限れば8月16日、23日、30日、9月6日の4回ある。

 しかし、任期満了選挙は、首相が政権基盤の弱体化で解散に踏み切れなかったという印象を与え、与党に不利となる。もちろん、任期満了選挙が可能な期間でも、解散できないことはないが、主導権を維持したとは言い難いので、自民、公明両党としては、この期間の選挙は避けたいところだ。

 新憲法下で任期満了選挙は三木内閣当時に一回あるが、自民党は議席を減らし、三木武夫首相は退陣に追い込まれた。

 麻生首相が定石通りに任期満了選挙を避けるとしたら、(2)「衆院選の投開票日は8月9日以前」という、次の方程式が導き出される。

 衆院解散日を決める上で、もう一つ見逃せない要素は、天皇陛下の日程だ。衆院解散は天皇の国事行為の一つであり、天皇が外国訪問などで国内に不在の場合、皇太子が国事行為を代行できるものの、通常この間は解散を避ける。

 天皇陛下は7月3日から17日まで米国を訪問されることになっており、普通に考えれば解散は天皇陛下の帰国後だ。帰国される17日が金曜日で、この日を含め、土、日曜日と祝日の公務の負担をかけないとすると、先ほどの(2)「解散は7月13日以降」という方程式は、(3)「解散は7月21日以降」という方程式に上書きされる。

 7月21日は火曜日で公示日に当たるが、解散日に公示はできないので、(2)式と(3)式の連立方程式の解を求めると、「衆院選は8月9日」という解が得られる。

 この場合、公示日は7月28日となり、解散から1週間しかたっていない。解散から公示までは、通常は10日前後だが、任期満了近い予期された選挙なので、準備期間としては十分だろう。

 8月の選挙は新憲法下では行われた例がないが、旧憲法下では2回あり、2005年の郵政解散も公示は8月だったことから、できないわけではない。

 投開票日の8月9日は長崎原爆犠牲者慰霊平和記念式典があり、この日は避けるべきだとの意見はあるが、最近では期日前投票が普及し、投票日以外の投票がしやすくなっており、投開票日回避の決定的な要因とはならない。

 8月9日投開票なら、東京都議会議員選挙が行われる7月12日から約1カ月が経過しており、都議選から最低でも1カ月以上離すよう求めていた公明党の意向にも沿うことができる。

 もちろん、これらの方程式は、麻生首相が常識的な判断をした場合にのみ有効だ。安倍晋三元首相や福田康夫前首相のように政権を突然、投げ出した場合など不測の事態が起きれば、衆院解散・総選挙の時期は、これらの方程式で導き出した解よりもずれることになる。

 ただ、その場合でも、9月10日までには選挙は行われるので、多少ずれたとしても「誤差の範囲内」と言える。

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