解散攻防の背景に政党助成金
麻生太郎首相がきょう30日に記者会見し、追加経済対策を発表するとともに、衆院解散を年明け以降に先送りすることを正式に表明する。
これはあくまで推測だが、首相が「年内は解散しない」と明言することはないと思う。これまでのように「政局よりも政策」「金融危機が実体経済に影響しないようにすることが重要」などの表現で、解散先送りを「事実上」表明することになるのではないか。なぜなら、首相にとって、解散権は首相の大権であり、わざわざ手の内を明かす必要はないからだ。麻生首相は特に、そうした思いが強いと思う。
それはともかく、首相が解散先送りを表明することで、政局は新たな局面に入るが、年内解散見送りは結局、政党助成金(交付金)狙いに思えてならない。なぜなら、政党助成金は毎年1月1日時点の議員数と直近の衆参両院選挙の結果で決まるからだ。
自民党に2008年に交付される政党助成金は約158億円。2007年が約166億円だから、8億円減った。これは、自民党が2007年夏の参院選で惨敗し、参院議員数と参院選での得票数が減ったためだ。
一方、自民党は2005年の衆院選で歴史的圧勝を果たし、この勝利により、2006年の政党助成金は、2005年よりも10億円増えている。
麻生首相の現在の内閣支持率や、自民党の政党支持率では、自民党が次の衆院選で前回並みの議席を確保することはあり得ず、議席の大幅減は避けられない。そうなれば政党助成金も大幅に減らすことになる。過去の選挙結果から言えば、今の自民党の党勢では政党助成金の減額幅は10億円以上になるだろう。
問題はその時期だ。政党助成金の決定はあくまで1月1日現在の議員数と得票数が基準であるため、年内に衆院選を断行して惨敗すれば、来年から政党助成金が減らされるが、衆院選を来年に先送りすれば、惨敗しても政党助成金の減額は再来年からになる。つまり、解散を先送りすれば、現在交付されている政党助成金の額を1年間維持できるのだ。
逆に、民主党からしてみれば、年内の総選挙で議席を増やせば、来年から政党助成金が増えるのに、解散が年明けになれば、政党助成金の増額も再来年からになってしまう。解散をめぐる攻防の背景には、政党助成金をめぐるぶつかり合いもあるのだ。
とはいえ、解散権は麻生首相が握っている。世界的な金融危機に対応する必要性は認めるが、年内解散見送りの背景に、政党助成金のことがあるとしたらいただけない。首相の「経営感覚」は一政党のために使わず、国民のために役立ててもらいたいものだ。
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